受診案内
熱がでたら
子どもの熱はほとんどが感染症です。普通のかぜから、入院を必要とする病状になることもあります。元気であれば2-3日様子を見ていても大丈夫かもしれませんが、少しでも心配事があればご相談ください。保育園の登園などに関しても受診をして確認した方がよいでしょう。
家での“お風呂”はどうすべき?
熱のとき、「お風呂はどうすればいいでしょうか」という質問がよくあがりますが、お風呂がなぜダメかというと、感染をしてしまうからというよりは、体力を消耗してしまうからなのです。お風呂に入れるかどうかは、“本人の様子”を第一優先に考えてください。ぐったりしているようだったら拭くだけにしてあげる、元気そうであればシャワーでサッと済ませるなど。湯船に浸かるのは体力をたくさん消耗するので、体調を崩したときにはやめておきましょう。
感染症の解説
おうちでできる感染対策
体調をととのえる
- 朝ごはんをしっかり食べて栄養をとる
- 入浴で体温を上げ、寝つきをよくする
- 早寝で睡眠を充分にとり、疲れを回復させる
- 手洗い・うがいでウイルスを寄せつけない
- こまめに水分補給をして新陳代謝をよくする
栄養
普段から栄養、水分、休養をしっかりとることが、体の抵抗力アップにつながります。
睡眠
睡眠が足りないと疲労が溜まって抵抗力が落ち、ウイルスに感染しやすくなります。体調を整えるために、普段から睡眠をしっかりとりましょう。入浴で体温を上げて1~1.5時間後に寝るようにすると、寝つきがスムーズになって、睡眠の質もよくなります。
小学生の場合は、22時までに就寝するのが理想ですが、何時に寝て、何時間睡眠をとるのがよいのかは、子どもによって違います。21~22時に寝ないと疲れやすい子もいれば、22~23時に寝ても元気な子もいます。睡眠が足りているかどうかは、お子さんの様子を見てください。たとえば、月曜日に元気があったのに、木曜日、金曜日と週末に向けて疲れやすくなるのであれば、睡眠時間が足りていない可能性があります。
手洗い、うがい
帰宅時にうがいをすること、水分をこまめに摂ることで、喉の潤いを保つことができます。うがいは、20秒以上するのがいいといわれています。音楽を歌ったりかけたりして長くするコツをつかめるといいですね。
水分は、血液やリンパ液のなどの成分になり、栄養素を全身に届けるために欠かせないもの。水分をこまめにとる習慣をつけておくと、体調も整います。
手洗いも、手を水で洗うだけでは、ウイルスが残りやすいので、石けん、ハンドソープで手洗いをして、清潔なタオルでしっかり水分を拭きましょう。手のひらだけでなく、指の間、爪の先なども洗いましょう。
また、冬に流行するノロウイルスは、感染者の便、おう吐物にいます。トイレの便便座のフタやドアノブなどにふれたことで手にウイルスがつくこともあるので、トイレ後もしっかり手洗いをしましょう。
咳がでたら
咳が出るということは、“下気道に炎症がある”ということです。つまり、何らかの気管支炎症状があるということです。軽い風邪のこともありますが、入院が必要な肺炎だったり、感染症ではなく喘息の可能性もあります。咳が長くつづく、咳で嘔吐してしまう、咳で眠れないなどの症状があれば、受診をおすすめします。
咳のケア
咳は夕方から朝方にかけてひどくなることが多いです。特に、寝入りばなに咳き込んで眠れないということも。眠る時に枕を高くする、室温を少し涼し目に設定するなどしてみてください。また、冬なら加湿器をつけると効果があることがあります。
寝る際は「布団をしっかりかけてあげて暖かく」と思いがちですが、咳がひどいときは体が温まると咳がひどくなり、眠れなくなることがあります。寝入りは涼しめの格好をさせ、タオルなどで頭を高くしてあげると、寝つきやすくなります。寝入ってから冷えないように布団をかけてあげるとゆっくり眠れる場合も多いので、試してみてください。
空気が乾燥している場合は、加湿に気をつけてあげると、呼吸が楽になることが多いようです。
代表的な病気
- かぜ(感冒)
- 喘息
鼻水がでたら
子どもは鼻水が出ることが多いです。免疫が少ないので、たくさん風邪をくり返して免疫を作っているということもあります。他、アレルギーでも鼻水がつらい場合もあり、長くつづくとき、鼻水で食べられない、吐いてしまう、眠れないなどありましたら受診しましょう。
鼻水のケア
こまめに鼻水をとってあげるのが一番です。薬を使うよりも有効です。呼吸が苦しくないようであれば、鼻かみや拭いてあげるだけでいいですが、咳がひどかったり鼻づまりで苦しそうな場合は、鼻水を吸ってあげましょう。特に「食事の前」「お風呂の後」「寝る前」に鼻水を吸ってあげると有効です。
嫌がらない子であれば、「鼻うがい」も有効です。鼻うがいと似た効果のある生食スプレーなども市販されているので、つまって苦しい時は使うといいでしょう。
代表的な病気
- かぜ(感冒)
- アレルギー性鼻炎
嘔吐
嘔吐は、胃腸炎というイメージですが、咳で吐いたり、アレルギーで吐いたり、泣きすぎで吐いたり、飲み過ぎで吐いたり、赤ちゃんの場合ちょっと食べ物が引っかかって吐いたりと原因は様々あります。1回の嘔吐でケロっとしている場合は心配ないかもしれませんが、元気がない時、ぐったりしている時は受診しましょう。
嘔吐のケア
あおむけで寝ている子が嘔吐した時は、右を下にして横向きにしてあげましょう。二次感染を防ぐためにも嘔吐をしたらしばらく袋や洗面器(袋をかぶせましょう)を枕元に準備して次吐いたときのために備えるといいと思います。嘔吐をしたら、すぐ水分をとらせることはせず、1時間くらいは様子をみるのがオススメです。
水分は、子どもが口にしやすいものでOK。なかでも経口補水液は、より嘔吐しにくいと言われています。ただし、牛乳やオレンジジュースなどの柑橘系の飲み物は避けましょう。
便秘
便秘は子どもに多いお腹トラブルです。1週間に2回以下の排便だったり、排便困難(排便するときに苦しがったり、うんちに血がついたりする)があると便秘といいます。この定義に当てはまらなくても“隠れ便秘”があり、突然腹痛になったりすることもあります。便秘は万病のもとなので、症状があればしっかりケアしてあげることが大切です。
皮膚のトラブル
子どもの肌はデリケートなので、お肌がきれいなイメージがありますが、色々な皮膚トラブルがあります。色々あって、原因を1つに同定することも難しいですが、その子にあったスキンケアをしてあげることで将来の健康に影響することもあります。気になるようであれば受診してしっかりケアをしてあげましょう。
耳のトラブル
耳のトラブル単独であれば、耳鼻咽喉科受診がオススメですが、鼻水もある、咳もある、育児の相談もしたい…などあれば、ご相談ください。
耳は放っておくと聞こえの問題になることもあります。中耳炎はくり返す子も多いので、きちんと解決しましょう。
代表的な病気
- 中耳炎
「中耳炎」とは、「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」の大きく2つにわかれます。ひとことで「中耳炎」というと急性中耳炎のことを指すことが多い傾向にあります。
急性中耳炎は熱をともない、耳を痛がるので症状がわかりやすいです。
滲出性中耳炎は、子どもから症状を訴えることがありません。ですが、長期間放置しておくと聞こえの問題になるので、見逃さないようにすることが大切です。